1.はじめに
みなさん「アクロヨガ」と聞いてどんなヨガを想像するでしょうか?
おそらく「ヨガ」は知っているけど、「アクロ」って何?と思うのではないでしょうか。
「アクロヨガ」とは、2名以上で行う、パートナーとの繋がりが深まるアクロバティックなヨガです。
この記事では、アクロヨガ講師のTAKAが、初心者に向けて「アクロヨガ」をわかりやすく説明いたします。
アクロヨガのおすすめポイントや、メリットなども紹介いたしますので、
お読み頂ければきっとあなたも「アクロヨガ」を始めたくなるはずです!
2.アクロヨガの語源と歴史
では、まずは「アクロヨガ」の語源と歴史について簡単にご説明しましょう。
「アクロヨガ」は、「アクロ」と「ヨガ」という2つの単語に分解することができます。
「アクロ」とは、ギリシャ語の「ACROS」という言葉が由来で、「最高」という意味を持ちます。
一方で「ヨガ」とは、実はサンスクリット語で「繋がり」を意味します。
その2つの単語を合わせて英語で表記すると、「アクロヨガ」は、「ACROBATIC YOGA」となり、
実は「最高の繋がりのヨガ」とも訳せるヨガなのです。
「アクロバティックなのに、繋がり?」と疑問に思うかもしれませんが、
そちらについては後ほど解説するとして、まずは「アクロヨガ」とは「最高の繋がりのヨガ」
ということを覚えて頂けたらなと思います。
そして、「アクロヨガ」の歴史ですが、2003年にアメリカのサンフランシスコで生まれた
最新のヨガとも言われているほど、新しいヨガです。
日本では2013年に西浦莉紗氏が「ACRO YOGA JAPAN」を設立したことをきっかけとして、
日本、タイ、インドネシア、シンガポール、マレーシア など、アジア圏にも広まりました。
このように、まだ歴史は浅いものの、アメリカやアジア圏に広まっている新しいヨガが「アクロヨガ」なのです。
僕が教えているアクロヨガの流派としては、
「スピリチュアルなヨガの叡智・タイマッサージの優しさ・アクロバットのダイナミックな動き」
という、この3要素で構成されているものとなります。
では次章からは、なぜ「最高の繋がりのヨガ」と呼ばれるのか、その疑問にお答えしていきたいと思います。
2.アクロヨガは普通のヨガと何が違うの?
街を歩いている時に、「ヨガ」のレッスンを行っているスタジオの看板を
目にしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それほど「ヨガ」は私たちの生活の中に溶け込んでいますが、
「アクロヨガ」はそれらの「ヨガ」とどういった点が違うのでしょうか。
決定的に異なる点は、「アクロヨガ」は2名以上で行うものであるという点です。
この、基本的に”2人”で組んで1つのヨガポーズをする、という点が重要なポイントです。
つまり「アクロヨガ」はパートナーがいないと成立しないため、
カップルや夫婦、親子などのパートナー同士でやることが多いのです。
1人で黙々と行うヨガとは全く異なることが理解できると思います。
それぞれ役割に名前が付けられており、
- 下側で安定した土台のポーズを作る「ベース」
- 「ベース」の上に乗る「フライヤー」
- 「ベース」と「フライヤー」をサポートする「スポッター」
という役割に分かれてポーズの練習を行います。
通常、「ベース」は安定した重心をとる役目を任されるため、
男性がやることが多いですが、練習を重ねれば女性でも行うことができます。
このように、複数名で組んで1つのポーズを完成させる点が一般的に広まっているヨガとは異なります。
3.アクロヨガの効果
「ベース」、「フライヤー」、そしてサポート役の「スポッター」で1つのポーズを完成させる
「アクロヨガ」ですが、それをやることで、どのような効果が得られるかについて解説したいと思います。
「アクロヨガ」の面白い点は、文字通りアクロバティックな側面があるという点です。
そして、アクロバティックに動き回る一方で、ヨガの基本である瞑想状態に入れる仕組みもあるのです。
それはどういうことかというと、「アクロヨガ」には「Solar(太陽)」と「Lunar(月)」と言われる要素があるのです。
Solar(太陽)とは、エネルギッシュに動き筋力を高める動きで、
「Lunar(月)」とは、マッサージ効果やリラックス効果を高める動きのことです。
この両方の側面が融合するからこそ、一般的な1人で行うヨガとは違った楽しさを感じたり、
瞑想状態に入ることができます。
特に、「Lunar(月)」は、「宙に浮くタイマッサージ」とも呼ばれる程、
リラックス効果や癒しの効果があると言われています。
人の上に人が乗っているようなポーズを維持するために、
普段使わないインナーマッスルも鍛えることができるため、代謝が上がり、ダイエット効果も見込むことができます。
実際に僕も、アクロヨガを始めたおかげで7kgの減量をすることができました。
身体面では、ポーズの土台を作る「ベース」をすることで、
柔軟力アップ、骨盤調整の効果が期待でき、
上に乗る「フライヤー」は、ツボが押されることによる血行改善や、
加圧トレーニングと同じような効果による成長ホルモンの分泌が促されると言われています。
このように、アクロバティックな動きが伴うヨガだからこそ、
エネルギッシュに動いて体幹を鍛えることができますし、
それだけでなく、「宙に浮くタイマッサージ」のようなリラックス効果も期待することができるのです。
普段デスクワークで肩や腰を痛めていたり、
肩が前川に縮み呼吸が浅くなっている方には特におすすめのヨガです。
4.アクロヨガのおすすめポイント
アクロヨガは、身体的に筋肉を鍛えることができたり、
メンタル的にリラックスができるという効果があるだけではありません。
パートナーやチームと一丸となって取り組めることで、
パートナーや仲間内でワイワイ楽しみながらできるヨガでもあります。
そして実は、他者との繋がりを通して自分自身や相手の大切さに改めて気づく
こともできる「繋がりのヨガ」なのです。
なぜならアクロヨガでは、「ベース」と「フライヤー」どちらが欠けても
ポーズが完成することはありませんし、なにしろ「フライヤー」としてポーズをとる時は、
「ベース」が崩れてしまったら落ちて怪我をしてしまうかもしれないというリスクを伴います。
(もちろん、そうならないように「スポッター」というサポート役がいますのでご安心ください。)
そのため、「ベース」と「フライヤー」の間には自然と信頼関係が築けるのです。
さらに、ポーズが難しくなるほど、パートナー同士での協力が必要となってきます。
最初は「パートナーを支えなければ!」と思いながらポーズをとりますが、
そのことは同時に自分自身の体幹や筋肉に集中することにもなるのです。
このことが自分自身を見つめ直すきっかけや、瞑想状態への入口になります。
そのため、アクロヨガを始めたことで、日常生活における集中力が高まったと感じることもあります。
更に、難しいポーズを完成させた時は、最高の達成感を味わうこともできます。
人の上に人が乗るというポーズは、通称「バード」のポーズと言われますが、
そのポーズをする場合、下にいる「ベース」だけがうまく支えるだけではうまくいきません。
上に乗る「フライヤー」が全身を「ベース」に預け、
体を真っ直ぐにしなければポーズが完成しないのです。
「フライヤー」にとっては、相手に体の全てを預けるため、
「ベース」に対する信頼がなければできませんし、
互いに力のバランスを調整することにより、互いに支え合うことが必要です。
このように、アクロヨガはパートナーとの絆を深め、達成感による喜びをもたらす側面もあるのです。
5.アクロヨガはどんな人に向いてる?
前述の通り、アクロヨガはアクロバティックな動きがあるので、
体幹を鍛えながら瞑想したいという人にはとてもおすすめです。
また、ポーズを完成させるためには、ベースとフライヤーの信頼が必要なため、
共通の趣味を持ちたい夫婦やカップル、絆を深めたい親子などでチャレンジするのも良いでしょう。
また、近年ではコロナ禍で人と触れ合う機会が減りましたね。
オンライン上では常に繋がっていて、Web会議ツールを使えばその場にいても飲み会もできます。
家族との時間は増え、在宅勤務により徒歩0分で働くこともできるようになりました。
そんな幸せなはずの環境なのに、心の奥では昔のように人との繋がりを持ちたい。
こんな思いを心のどこかで持っている方もいらっしゃるかもしれません。
日本人は特にボディコミュニケーションが少ないと言われていますから、
たまには人と触れ合いながら運動をしたいという方にも最適のスポーツです。
6.アクロヨガのデメリット
そんないいことずくめのアクロヨガですが、デメリットも漏れなくお伝えしておこうと思います。
デメリットは、アクロヨガを学べる教室が少ないという点です。
アクロヨガは通常のヨガとは異なり、ポーズを完成させるのに多少のコツがいるため、
資格を持った講師がついていなければ危険が伴うリスクがあります。
そのため認定の講師が在籍している教室で学ぶことが必要ですが、
まだ日本に入ってきて日が浅く、教えることができる講師の数が少ないのが現状です。
僕は沖縄で定期的にアクロヨガクラスや練習会を行っているので、
沖縄にお住まいの方や近い方はお気軽にお問合せください。
7.アクロヨガのメリット
最後に、アクロヨガに関してお伝えしきれていないメリットをまとめてみようと思います。
体が硬い人や筋力が弱い人でもできる
ベースの役目はフライヤーを支えることなので、柔軟さをあまり必要としません。
そのため体が硬くて一般的なヨガをしても痛くて楽しめない、
という方でも気軽に挑戦することができます。
また、お年寄りのように筋力が弱い方でも、パートナーと組んでやるため、
自分の力が弱くても相手に支えてもらってポーズをとることができる点も魅力的なポイントです。
男性でも気軽にチャレンジしやすい
ヨガといえば女性の習い事としてイメージする方も多いと思いますが、
アクロヨガの土台となるベースは、筋力がある男性がやることが多いため、
男性でも抵抗なくチャレンジしやすいという点もポイントです。
運動不足だけど1人だと運動が続かないという方でも続けられる
アクロヨガの練習会では、さまざまな方が集まってサークル活動のように
和気あいあいな雰囲気でアクロヨガの練習を行います。
そのため、1人で家の中でYoutubeを見ながら筋トレをするのに飽きた方や、
そもそも運動嫌いで1人だと3日も続けられないという方でも、
誰かと一緒なら長続きするかもしれませんね。
8.まとめ
この記事を通して「アクロヨガ」とはどのようなものなのか、
少しご理解頂けたのではないかと思います。
まとめると、下記のとおりです。
- 「アクロヨガ」とは、2名以上で行う、パートナーとの繋がりを深めるアクロバティックなヨガ。
- 「スピリチュアルなヨガの叡智・タイマッサージの優しさ・アクロバットのダイナミックな動き」の3要素が含まれている。
- 土台のポーズを作る「ベース」、上に乗る「フライヤー」、サポート役の「スポッター」に分かれて1つのポーズを完成させる。
- 当然普段使わないインナーマッスルを鍛えることができるので、代謝が上がり、ダイエット効果も見込むことができる。
- 共通の趣味を持ちたい夫婦やカップル、絆を深めたい親子などでチャレンジするのがおすすめ。
- 体が硬い人や筋力が弱い人でもできる!
- 男性でも気軽にチャレンジしやすい!
- 運動不足だけど1人だと運動が続かないという方でも続けられる!
アクロヨガの素晴らしい点は、「ベース」や「フライヤー」、「スポッター」の役割を通して
互いに支え合い、相手との信頼感や絆を実感するというところです。
アクロヨガのポーズで、特に「フライヤー」側を経験すると、
子供の頃、親にすべてを委ねていた時の感覚を思い出させ、安心感に包まれます。
そのことが癒しにつながるのだと思います。
子供の頃、記憶には残っていなくても、親に抱っこをしてもらったり、
高い高いをしてもらったりしたことがきっと誰もがあるでしょう。
その頃の私たちは、誰かに支えてもらわなければ生きていけない無力な存在でした。
でも、大人になった私たちは、社会に属し、経済関係や感情の繋がりを通して、
誰かを支えることができるようになりました。
大人になって誰かを支えつつも、自分も誰かから支えられているという安心感を、
アクロヨガは体験させてくれます。
その安心感を感じる時、私たちは子供の頃よりも少し成長した自分に気づくのかもしれません。
アクロヨガにおいての「ベース」、「フライヤー」の関係は、
互いに支え合う社会的関係性を表現しているようにも見え、
ポーズをとることによって他者との繋がり、そして自分との繋がりを感じることができるのが、
「最高の繋がりのヨガ」であるアクロヨガだと思っています。
そしてそれは、見ている人にとっても美しさや癒しを感じさせます。
歴史が浅くまだレッスンを受けることができる場所が少ないアクロヨガですが、
純粋に一番楽しいことは、難しいポーズに大人たちが2人や3人で完成させることに夢中になり、
気づかないうちにまるで子供に戻ったように無邪気に笑いながら取り組んでいる、
そんな単純なことだったりします。
ぜひ、沖縄にいらっしゃった時は私たちと一緒にアクロヨガを楽しんでみませんか?
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